2017年5月2日までのデータは3rdSeason、2013年11月までのデータは2ndSeasonに置いてあります。

2017年6月8日木曜日

第682回 東京都青少年健全育成審議会 議事録を読む

第682回 東京都青少年健全育成審議会 議事録
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/pdf/pdf/09_singi/682/682gijiroku.pdf

第682回東京都青少年健全育成審議会 会議資料を読む
http://ccf-square3rd.blogspot.jp/2017/04/682.html

第682回東京都青少年健全育成審議会 会議資料を読む②
http://ccf-square4th.blogspot.jp/2017/05/682.html

4月は異動の季節です

東京都の人事異動がございまして、私4月1日付で青少年対策担当部長に着任いたしました井上と申します。どうぞよろしくお願いいたします

今月の買い取り図書

○青少年課長 それでは、審議用資料の1ページをご覧ください。諮問第 1087 号でございます。
さらに、 2ページでございます諮問図書類及び指定基準該当箇所一覧をご覧ください。
こちらに記載されました図書類は、平成 29 年3月1日から3月 31 日までの間に、都内のコンビニ・書店等から購入いたしました計 134 誌のうちから、 8ページ、 9ページに記載してございます条例施行規則第 15 条の指定基準に基づき まして指定図書類の候補として選定したものでございます。

図書審査

○I委員 私も2誌とも指定すべきだというふうに思います。具体的には、 1誌目の方は、
性描写が非常に全編通して多いので、卑わいだという観点からです。
2誌目の方は、聞き取り調査では、非該当の方が多いのですが、表情が非常に幼い割には性描写が多くて、非常に露骨だということが原因です。指定すべきだと思います。
○会長 はい、あり がとうございました

○B委員 私も2誌とも指定でお願いします。 1誌目は、表紙をあけたら、もうこの絵、 2誌目も表紙からしてこういう絵ということ自体、 青少年の目に入りやすく 絶対区分陳列すべきだと思います。

表紙開けてみました……「もうこの絵」でしたw

○K委員 私も毎度同じような理由で指定でお願いしているんですけど、 自主規制団体からの聴き取り結果によると、 子供が読むと思わないが、 というようなところがありますが、区分陳列しなければ手にとりますよね。こういうちょっと考え方というのは、ちょっと疑いますね。 それから、 2誌目の方は、前に指定を受けた図書よりも修整されていると自主規制団体の聴き取り結果には書いてありますが、本当に修整されているのか疑問に思います。本当に全編性交シーンでひどいものでございますので、 2誌目も指定該当でお願いいたします。
○会長 今、 K委員から2誌目の図書が前回指定になったときよりも修整されているのかどうかという指摘がありました。 事務局では比較などの確認作業はされましたか。
○青少年課長 単純な比較は非常に難しいところでございます。自主規制団体からの聴き取り結果は、専門の方の目からみた意見ということで考えていただければ、と思います。

要するに、比較はしてないということ?

○F委員 私も2誌とも指定でお願いします。 1誌目のほうなんですけども、 修整されているけれども、かなり 性器等が分かる部分が多いと思いますね。これは修整とみなされるのかどうかということをお聞きしたいです。 あとデフォルメされていると卑わい感がないようなことを聴き取り結果では書かれているんですけど、デフォルメされていると、より一層卑わい感が逆に強調され余計に分かりやすいというところが子供たちにとっても卑わいに感じるのではないかなと感じます。
2誌目なんですけども、 聴き取り結果で非該当がすごく多いんですけども、この自主規制
団体の方たちの聞き取り 結果の中に、一定の最低限の修整はなされているけれども、 という文言の後に、一定の工夫がされているという、この一定の工夫というのは、ちょっと私の中でははっきりしたことが分からないということと、あと全体的に卑わい感が少ないと書いてあるんですけども、これは大人が見て判断すると卑わい感はないかもしれないけど、子供たちが見たときにどうなのかという判断ではない聞き取り調査の結果ではないか、と思います。そこをちょっとお聞きしたい、 と思います。

○会長 後半のほうはご意見ということで、前半のほうはこの審議会で毎回ご指摘になるわけですが、性器部分が修整されているということですけれども、この自主規制団体の聞き取り結果でも性器部分は修整されているけれども、男性器とわかるものが多く 卑わいだというご意見もあれば、性器部分は修整されているから、それでいいんじゃないかというご意見ですね、自主規制団体の方の中でも分かれているので、そのあり方について、 D委員から教えて
いただきたいということですね。 そういうことでよろしいですか。

大人が子供の読む本に影響云々語ってること自体が面白おかしいとは思わないかね

○D委員 まず、 1誌目に関しては、これはラグビー部の男同士の性的関係が表紙を開けて最
初から出てくるんです。 男同士が性的関係に陥るということに関して、 それ自体が問題だというふうに思われているのかもしれないんですけども、 LGBTの市民権が認められる今の時代、 性的にその人が異性を愛するか、同性を愛するかということに関して、 そのことがもう犯罪のような言い方をされると、それは違うと思うんですね。レズビアンとか、ゲイとか 、バイセクシャルとか、トランスジェンダー(心は男性だけれども体は女性、逆に体は女性だけども心は男性)などの性があり得るということは、 今の時代ではもう認められつつあると思うんですね。
まぁそれはさておき、この作品そのものは、 ラグビー部の部員同士の一見コミカルに見え
るような性描写なんですけども、ちょっとゲイ の人たちをからかっているような描写が多くて 、それで 、しかも絵がやはり 修整はなされて ても 、もうそれと分かる性描写そのものです。修整というのは何かというと、 性器を修整すればそれでいいのかということではありません。例えば性器は修整されているけども、 性行為が露骨な表現の場合は修整とは言わないと思うんですね。
私は、 修整するんだったらストーリーも含めて考え直したらどうかみたいなことをよく言うんです。
ところが、やっぱりそういうことも考えると、これは男同士の性を扱うにしては、余りにもずさんで、ゲイ の人をからかったような部分はやっぱりちょっとまずいと思いますので、そういう意味では、読みたい大人が読むような区分陳列には、 すべきだと思います。
2誌目なんですけども、これも自主規制団体の意見聴取にてメンバーが言っているように、やっぱり性器の描写が修整で真っ白になっていたり、性器そのものが男性器、女性器も見えないからそれでいいのかということになってくるんですけども、これは編集段階でそれはやっ てると思うんです。ところが全編にわたっ て性描写なんですね。 短編集で 17 作ほど入っているんですけども、それぞれがやはり大人がそれなりに読むにはいいけども、 青少年が読むにしてはストーリーが性的ストーリーオンリーになっているんですね。 なのでこれも区分陳列すべきだと思います。
それから毎回問題になる修整についてなんですけども、 担当者と編集者とで話すときには、修整とは何か、どう考えるのかという話はするんですね。だけども認識の違いもやっぱりあって、ある程度修整して区分陳列なら納得するんだけども、これだけ修整しているんだから区分陳列じゃなくて、普通の平台で置いてほしいというふうな意向もあることは間違いありません。その辺は、 やはり東京都の審議会で区分陳列になってるし、 道府県でもこれが指定されるとなると、それはそのような認識を変える べき じゃないかというような段階に来ていると思います。
ですから、ちょっと今回のような描写の場合は、やはり 修整と言えるかといった場合には、性器を修整すればそれで済むのかという問題にもなってくると思うんですね。そこはもう一度出版倫理的観点から版元が考えたほうがいいと思います。
以上です

出版倫理かぁ……

○会長代理 考慮しなければならないのは、 修整の仕方ではなくて、 修整せざるを得ない描写がどれほどあるかということだと思いますので、この2誌は区分陳列して売っていただきたいと思います。
○会長 はい、わかりました。
私もこの2誌は、仮に性器の部分が修整をされているといたしましても、この条例の定める著しく性的感情を刺激するものに当たると思いますので、区分陳列をして販売していただきたいと思います。
委員の皆様全員、 2誌とも指定やむなしという意見でございます。 このように答申させていただきます。よろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
○会長 ありがとうございました。

全会一致でフィニッシュです……

都民からの通報申出

○青少年課長 「その他」 のご説明いたします。
3月処理分の都民の申し出は、 電話によるものが1件ございまして、残虐な内容のものということで図書類を確認いたしました。
暴力的なシーンはあるものの、残虐な殺人、傷害、暴行、処刑等の場面、 または殺傷による肉体的苦痛を実録風に、また誇張するなどして描いているというところに当たらなかったために、条例施行規則第十五条で定める不健全図書類の基準には該当しないと判断いたしました。
都民の申し出については、 以上でございます。

いつも通り、課長ラインで却下です。

来月から傍聴のルールが変わります

○会長 ご質問等よろしゅうございますか。 どうぞ。
○早坂委員 きょう傍聴の方がいらっしゃって、機微に触れるところでご退席いただきました。
もう帰っちゃったのかどうか知らないんですけども、一応会議体として、 最後に大丈夫な部分があるか、と思います。 最後に図書はどうで、 映画はどうでしたとかいうことを、もう一回公開してそれで終わりとなると格好がつくかな、 と思います。
○会長 それでは、今のご提言は、 これまでは調査・審議事項のところでご退席いただいて、
「その他」 についてもご退席のままというふうに今まで処理をしていましたが、例えば次回審議会のご案内とか、そういった部分は審議事項ではありませんから公開するなど、改めてもう一度、「その他」 の扱いを事務局で次回以降の運用で検討してみていただければと思います。 早坂委員、 そういう形で、よろしゅうございますか。
○早坂委員 はい。
○会長 やはりせっかく 傍聴に来ていただいたので、大事なご提案だと思います。前向きに検討してみてください。

来月からの傍聴は不健全図書の審査と推奨映画部分の後も公開されることになりました。あんまり大きな変化とは言えませんが、小さな一歩ということで。


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